横浜に来てから5か月が経った。
過ぎてみると、月日の流れは本当に早い。
春は花粉のせいで、夏は暑さのせいで大好きな散歩ができなくて、さらにコロナが気になって外食をする気分にもなれず・・・
この5か月の間、食事はほとんど手料理で食べていた。
一人で食事をしていると、いろんな事を思い出す。
私が小学生の頃、母親からは
「あんたほど食い意地の張った子供はいないよ」
と言われていた。
そう。
私は子供の頃、とても食い意地が張っていた。
ある日、母親がおはぎを作ってくれたことがあった。
母親の作るおはぎはとにかく巨大で、大人の女性の握りこぶしぐらいの大きさがあった。
小学生の私は、その握りこぶし大のおはぎを5個食べた。
そして夜に腹痛で冷や汗をかきながら、それでも夜中に起きておはぎを食べて病院に運ばれた。
この思い出は今思い返してみても、食い意地が張っている以外の何物でもないと思う。
そんな子供が大人になったからって、そうそう変わるわけがない。
50代となった今の私は、たくさんの量は食べれなくなってしまったので、質にこだわって食い意地の張りようを表現しようとしている様子が未だに見受けられる。
「グルメ」とか「食に精通している」とか、気取った言い方はたくさんあるけれど、私の子供の頃の記憶から自分自身に対しては「食い意地が張っている」という品の無い言い方が最も適切だと思っている。
横浜駅のすぐ近くに居を構えたのも、無意識に「食い意地が張ってる」自分が顔をのぞかせているのは間違いないと思う。
なぜなら、家から歩いて10分以内の場所に
まいばすけっと、文化堂、東急ストア、紀ノ国屋、成城石井、高島屋、そごう
と、7カ所もスーパーがあるのだ。
自分で自分に気付かないフリをしているが、私は知っている。
これほど充実したスーパーの数が徒歩圏内にある事が、私を横浜に引き寄せているということを。
あぁ、一日の仕事が終わった後にスーパーやデパートの総菜売り場を訪れると、なぜあんなにも私の心はキュンキュンとトキメクのだろうか。
そう。
それはつまり、
私の食い意地が張っているからでございます。
そういえば横浜に来て早々、高島屋で素晴らしい出会いがありました。
この仙太郎という和菓子屋さん
新宿伊勢丹に入っていて、たまに買っては美味しくいただいていたのですが、なんと!
横浜の高島屋にも入っていたんですね。
今でも忘れられないのですが、横浜に来てスグの頃、高島屋の和菓子コーナーで仙太郎を見つけた時は、
「え?仙太郎?なんでここに? え?うそ?」
と、まるで推しの有名人に偶然会えたように気持ちが高ぶってグッとこみ上げるものがあって、思わず泣きそうになってしまいました。
どう考えてもオカシイですよね。
不意に和菓子屋を見つけて、感極まって泣きそうになるなんて。
でも、しょーがないんです。
だって、食い意地が張ってるんですから。
仙太郎の和菓子は、ひと口で食べられる小さな和菓子が中心です。
あんこをそんなに食べてはいけない、50代の私にジャストサイズな小ささなんです。
そして本当に本当に美味しい。
とても上品で美味しい和菓子なのでございます。
ということで、
これからは量より質で、旺盛な食い意地を見事に昇華して参りたい所存でございます。